令和3年第1回定例会 一般質問

令和3年第1回定例会 一般質問

 

令和3年第1回北部上北広域事務組合定例会において、

赤垣 義憲議員より一般質問通告がありました。

 

 

赤 垣 義 憲 議員1 赤垣議員

 

〇公立野辺地病院の診療科と診療日について

  1. 常に小児科を受診できるよう、また入院までサポートできる体制づくりが必要と考えるがどのように考えているのか。
  2. 産科については、現在休診中となっているが、いつを目途に再開する考えなのか。

 

 

 

 

病院事業管理者 一 戸 和 成一戸病院事業管理者

 

赤垣議員からのご質問2点、小児科と産科医師の確保の関係について、まとめてお答えいたします。

昨年度に県が策定した「青森県医師確保計画」によれば、県全体の小児科医師偏在指数は、全国の106.2に対し、本県は93.4(全国38位)であり、また産科医師偏在指数は全国の12.8に対し、本県が9.4(全国43位)であり、いずれも少数地域に区分されています。

本県に限らず、全国的に小児科や産科の医師確保は喫緊の課題でありますが、小児科や産科医師の確保が困難となっている共通の理由としては、

  1. 少子化に伴う出産数の低下や不規則な勤務態勢により、小児科や産科を志望する学生が減少していること
  2. 若い世代においては、女性医師の比率が急増していること
  3. 小児科特有の理由としては、入院に関する診療報酬が低く、不採算診療であること
  4. 産科特有の理由としては、医療訴訟の約3割が産婦人科関連であり、大きな心理的リスクを抱えること

などが考えられるところです。

議員の御提言のとおり、小児科や産科医師が身近に配置され、必要なときにいつでも受診できる体制が望ましいものと思います。小児科、産科医師が少ない中で、従来どおりの配置をすれば、結果として広く薄い配置となり、個々の医師に過酷な勤務を強いることとなります。医師の確保が難しい中では、まずは、小児科・産科を標榜する病院の集約化・重点化を推し進める議論を県が中心となり行うことが重要であると考えています。

いずれにしても、野辺地病院の機能として必要な診療科の医師確保については、弘前大学医学部に限らず、県外の医師養成機関に対し、野辺地病院の実情等を説明しながら医師確保を行って参りたいと考えています。

 

 

 

沖 津 正 博 議員2 沖津議員

 

〇野辺地病院の経営改革について

  1. レセプト精度調査等業務委託契約を実施する原因や目的について伺いたい。
  2. 今後の透析診療の拡充、敷地内薬局の計画などの病院改革の方向性について伺いたい。
  3. 医療従事者確保のための協議の場の設置が必要と考えるが、どのように考えているのか。また更なる医療従事者確保のための方策について、病院事業管理者はどのように考えているのか伺いたい。

 

 

 

 

病院事業管理者 一 戸 和 成一戸病院事業管理者

 

沖津議員からのご質問3点について、お答えいたします。

まず、1点目の「レセプト精度調査等業務委託契約」を行うこととした理由や目的についてですが、

今年度の決算見込みについては、入院及び外来収益において、昨年度決算に比較して、約2億1千万円の増収が図られる見込みとなっています。増収の大きな要因としては、麻酔科医師の招聘による手術料収入のほか、診療報酬の加算点数取得などでありますが、今後とも、病院収益の太宗を占める入院及び外来収益の確保に向けて、具体的な取組を進めていきたいと考えています。

来年度の取組の一つとして、本定例会に予算案を上程している「レセプト精度調査」を予定しているところであり、ノウハウを有する専門業者に委託して事業を実施することとしています。具体的には、1か月分の国保連などの審査支払機関に提出する入院及び外来の全レセプトについて、請求の精度に関する調査・分析等を行い、適正な請求、請求漏れ防止などの課題や問題点を洗い出してもらい、その結果に基づいた改善対策を実施するものです。

私は、昨年4月の赴任以来、各部門へのヒアリングを通じ、問題点・課題等の洗い出しを行ってきましたが、部門が行っている診療行為のすべてが、正しくレセプト請求に反映されておらず、相当程度の診療報酬の請求漏れなどがあるのではないかと感じ取ったところです。この事業を通じ、入院や外来収益の効果的確保を図りたいと考えています。

 

2点目の透析診療の拡充や敷地内薬局の計画などの病院改革の方向性についてです。

まず、透析診療の拡充についてですが、医師確保や整理しておかなければならない課題等がいくつかあり、現在、検討を行っているところです。

次に、敷地内薬局の整備については、患者や町民の利便性向上を目的に、“病院に人を集める仕組みづくり”の一環として、計画しているところです。

現在、いくつかの課題を整理しながら、民間事業者と交渉を行っているところであり、交渉の進展状況を見極めながら対応していきたいと考えています。

 

最後に、3点目の医療従事者確保のための協議の場の設置や医療従事者確保のための方策についてです。

まず、協議の場の設定についてですが、議員ご提言のとおり、この組合議員のほか、地域の医療関係者を入れた会議体で協議する方法もあるかと思いますが、医療従事者の確保について、来年度予算案に計上している取組を着実に進めていくことが効果的であると考えています。

医療従事者の確保対策については、議員全員協議会で説明したとおり、看護師修学資金の増額、認定看護師養成のための経費等の補助、各種手当の新設や増額など幅広いメニューを用意していますが、医療従事者の確保が非常に難しい地域であることから、これら以外にも工夫を凝らしながら取組を進めて参ります。

なお、今年度、全適実施に併せ、病院独自で職員募集を行ったところですが、看護師3名、管理栄養士2名、作業療法士1名、理学療法士1名を採用ができたところです。

また、医師確保については、今年度に招聘できた麻酔科専門医は、来年度も派遣していただけることとなりましたが、このほかにも、必要な診療科の医師の派遣が実現できるよう検討を行っているところです。

 

 

 

沖 津 正 博 議員2 沖津議員

 

〇野辺地病院の経営改革について

北部上北地域の中核をなす野辺地病院ですが、とりわけ救急外来に必要な脳外科医の常勤医不在は切実なものがありますが、ドクターヘリはそのため役割も恩恵も大きいものがありますが、夕方以降や天候不順で飛ばない場合も多いのも実情です。今年度ドクターヘリを要請したが天候不順、時間外で飛べなかった件数はいくらでしょうか。

 

 

 

 

 

管理者 野 村 秀 雄野村管理者

 

沖津議員のご質問にお答えいたします。

今年度ドクターヘリが、天候不順、時間外で飛べなかった件数についてのご質問でありますが、

先ず、ドクターヘリ運用につきましては、平成21年に開始となってから12年が経過しているところであり、これまでの当管内の要請件数は665件となっているところであります。

さて、ご質問の令和2年度(令和3年3月15日現在)における当管内のドクターヘリ要請件数についてでありますが、野辺地消防署で27件、横浜消防署で11件、六ケ所消防署で27件、合計65件となっております。

その内、ドクターヘリを要請したが、出動できなかった件数は10件であり内訳は天候不順のため出動できなかった件数が6件、時間外のため出動できなかった件数が2件、ドクターヘリ2機出動中のため出動できなかった件数が2件でありました。今後も、地域医療の状況を踏まえながら救命率の向上、重篤後遺症の低減などのためドクターヘリの積極的な活用を進めてまいりたいと考えております。

 

 

 

 

 

寺 下 和 光 議員3 寺下議員

 

〇1、消防職員の再任用について

  1. 構成町村からの派遣職員は退職時に派遣を解除することから構成町村で再任用することが基本であると思うが
  2. 再任用後に消防本部勤務となった場合の負担金算出方法は、その職員が本来採用された構成町村が負担すべきと思うが

 

 

 

 

管理者 野 村 秀 雄野村管理者

 

寺下議員の消防職員の再任用に係るご質問についてお答えいたします。

まず、1点目の「構成町村からの派遣職員は退職時に派遣を解除することから構成町村で再任用することが基本であると思うが」についてでありますが、構成町村から派遣されている職員は主に消防職員になります。

退職時に派遣を解除されることから構成町村で再任用をすることが基本とのご指摘ですが、構成町村からの派遣職員については勤務実績に基づく選考により組合にも再任用できる旨、地方公務員法に明記されているものであります。

このことから、平成29年度に派遣職員の退職者を1名を再任用し、平成30年度に1名、令和元年度に2名を再任用し、これまで4名が再任用されております。

4名共に野辺地町からの派遣職員ですが、うち1名は2年目の任用を希望せず退職しており、残りの3名にあっては1名を消防本部に配置しており、他2名にあっては野辺地消防署に現在配置しております。

構成町村の派遣職員が消防本部や消防署に配置させることとなった理由には、これまで長年培ってきた多様な能力や実績などを最大限活用し、若手職員に技術や専門的な知識を伝承することが一つの目的であります。

議員ご指摘のとおり、派遣元での再任用も否定するものではございませんが、派遣された職員にはこのようなことから退職時には選択肢を与えるなど幅広く雇用の機会を与えたいと考えております。

 

2点目の「再任用後に消防本部勤務となった場合の負担金算出方法は、その職員が本来採用された構成町村が負担すべきと思うが」についてですが、

1点目のご質問でもお答えしましたが、1名は消防本部に配置しておりますが、派遣元の野辺地町を退職する際に野辺地町での「再任用希望届出書」において消防本部を希望したため、派遣元である野辺地町からの依頼を受け事務組合が協議・調整した結果、事務組合での再任用職員として採用し、消防本部に配属しております。

再任用職員の職務内容が消防本部の正職員と同様のことから、現在構成町村からの分担金にて人件費を賄っております。

議員ご指摘のとおり、来年度以降退職者が多くなることを踏まえ、職員が本来採用された構成町村が負担すべきとのことから、令和4年度に向け改めて構成町村と負担の在り方について協議したいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

寺 下 和 光 議員3 寺下議員

 

〇2、組合職員を対象としたパワーハラスメント等調査について

パワーハラスメントの状況改善のための消防本部及び消防署の消防司令以上の幹部職員について定期的な人事異動を行うべきと考えるがいかがか。

次に、組合全員を対象にパワーハラスメント等の実態調査を行うべきと考えているが如何か。

 

 

 

管理者 野 村 秀 雄野村管理者

 

寺下議員のご質問にお答えいたします。

「パワーハラスメントの状況改善のための消防本部及び消防署の消防司令以上の幹部職員について定期的な人事異動を行うべきと考えるがいかがか」につきましては、先ずパワーハラスメント事案の発生に関しましては、先の第2回議会定例会の提案理由の中で「同僚がパワハラを訴え横浜消防署員を注意」との報道内容について報告をさせていただいたところであり、住民の皆様に不安感を与え、信頼を損なうものであることから再発防止の徹底を図っているところであります。

また、消防における署々間の人事異動は、消防業務の効率化及び充実強化、階級構成の是正や職員の育成及び高度化による消防活動全般の機動力向上と消防各隊員の効率的な運用を行うことを目的として平成27年度から実施しているものであります。

議員ご質問のとおり、人事異動を行うことによる環境の改善はハラスメントの防止にも効果的との考えから、副署長や分署長を含め必要に応じ構成町村と協議をいたしながら今後も積極的に効果的な人事異動を行うことが必要と考えておりますのでご理解をお願いします。

 

次に、後段の「組合全員を対象にパワーハラスメント等の実態調査を行うべきと考えているがいかがか。」についてお答えします。

当組合としても、ハラスメントに関する問題は喫緊の非常に重要な問題であると認識しております。

当組合では平成29年度に「職員のハラスメントに関する要綱」を制定以降、毎年11月下旬に組合全職員を対象として、封筒に収め無記名により「ハラスメント実態把握アンケート調査」を実施しており、3月中旬にはその結果を集計し個人が特定できないように各所属長を経由し職員へ結果のフィードバックに努めておりますので、ご理解をお願い申し上げます。

 

 

 

 

寺 下 和 光 議員3 寺下議員

 

〇3、消防・事務局職員の駐車場確保等について

庁舎前の駐車場のみでは、救助訓練や野辺地町消防団にも多大な迷惑をかけるため、野辺地町で所有している庁舎裏の土地について早期に買収すべきと考えるが如何か。

 

 

 

 

管理者 野 村 秀 雄野村管理者

 

寺下議員の消防・事務局職員の駐車場確保等に係るご質問にお答えいたします。

庁舎裏の土地の買収・確保については、当地域の安全で安心して暮らせる地域を担うという消防の目的から、多種多様の訓練を行うことのできる訓練場が必要であると考えております。

現在の用地は、緊急時の出動経路や訓練場としては、決して満足いくスペースではありません。

このことから、令和3年度当初予算では、総務費において庁舎裏の土地2,314㎡の購入費として予算を計上しております。

今後の災害等の対策や地域住民を守るため消防職員が安心して訓練ができるよう、さらに消防団活動の拠点訓練場として有効活用を目指す上でも、土地確保は重要と考えております。

 

 

 

 

寺 下 和 光 議員3 寺下議員

 

〇4、消防職員の再任用について

野辺地病院の警備業務委託を見直し、定年退職した消防職員の再任用を起用し、夜間救急受付業務や初期消火活動、院内巡回業務等を行わせることによって、病院として相乗効果と経費節減のメリットがあると考えるが、どのように考えているのか。

 

 

 

 

病院事業管理者 一 戸 和 成一戸病院事業管理者

 

寺下議員から、病院が委託している警備業務については、直営方式とし、その人材に消防の再任用職員を採用したらどうかという質問についてお答えいたします。

現在、病院で委託している警備業務については、

  1. 不審者や徘徊者等の発見などの病院内外の巡回業務
  2. 夜間休日における、救急外来患者の受付と看護師の補助業務
  3. 夜間休日の電話対応、緊急時に備えての対応等

に加え、今年度から新型コロナウイルス感染症対策の一環として、患者の検温及び患者誘導業務等を委託しております。

消防職員においては、職務経験上、様々な緊急事態等への対応に精通していることから、現在、病院で委託している警備業務に対応することは可能かと考えられますが、消防再任用職員を配置の上、直営方式で警備業務を行った場合、採用方法や人件費をどのように扱うのか、どの程度の人材が確保できるのか、また、警備業務の内容について、消防再任用職員がどの程度に習熟できているのか確かめた上で、判断すべきものと考えます。

 

 

 

 

寺 下 和 光 議員3 寺下議員

 

〇5、野辺地病院の新築について

経営の黒字化の見通しができつつあるが、野辺地病院の耐震問題を早期に解消し、患者や職員の安全確保を図る必要があると考えるが、どのように考えているのか伺いたい。

 

 

 

 

病院事業管理者 一 戸 和 成一戸病院事業管理者

 

寺下議員からのご質問について、お答えいたします。

病院の建替については、経営の安定化が最優先であることから、従前において凍結を行ってきたところですが、今年度の決算見込みについては、本定例会の前に開催された議員全員協議会で説明したとおり、純損益で、約1億3千万円の黒字が達成できる見込みです。また、資金不足額の解消についても、早期の解消に見通しが立ったところであり、建替の大きな財源となる企業債の借入に支障がでないところまで、経営再建が図られる見込みです。

一方、本館棟は建築後50年、南棟は40年以上が経過し、施設の耐震化問題に加え、老朽化が著しいことから、病院の建替に関する議論は早い時期から取り組まなければならない課題と認識しています。今後、時期を捉えて、議論を進めて参りたいと考えていますので、御理解と御協力をよろしくお願いします。

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