既設の地下貯蔵タンクに対する流出防止対策について
危険物施設における流出事故の低減を図るため、危険物の規制に関する規則等の一部を改正する省令(平成22年総務省令第71号)及び危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件(平成22年総務省告示第246号)がそれぞれ平成22年6月28日に公布され、平成23年2月1日から施行されることとなりました。(ただし、平成25年1月31日までは経過措置として従前の例によることとされています。)
これは、地盤面下に直接埋設された既設の鋼製一重殻の地下貯蔵タンクのうち、設置年数、塗覆装の種類及び設計板厚が一定の要件に該当するものを「腐食のおそれが特に高いもの」「腐食のおそれが高いもの」に区分し、その区分に応じて内面の腐食を防止するためのコーティング等の危険物流出防止対策を講ずることとするものです。
危険物流出事故防止対策
〇腐食のおそれが特に高いもの
設置年数 | 塗覆装の種類 | 設計板厚 |
50年以上 | アスファルト | 全ての設計板厚 |
モルタル | 8.0mm未満 | |
エポキシ樹脂又はタールエポキシ樹脂 | 6.0mm未満 | |
強化プラスチック | 4.5mm未満 | |
40年以上50年未満 | アスファルト | 4.5mm未満 |
FRP内面ライニング又は電気防食の措置が必要 |
・設置年数:地下貯蔵タンクの設置時の許可に係る完成検査済証の交付年月日を起算日とした年数
・塗覆装の種類:地下貯蔵タンクの外面の保護方法
・設計板厚:地下貯蔵タンクの設置時の板厚
〇腐食のおそれが高いもの
設置年数 | 塗覆装の種類 | 設計板厚 |
50年以上 | モルタル | 8.0mm以上 |
エポキシ樹脂又はタールエポキシ樹脂 | 6.0mm以上 | |
強化プラスチック | 4.5mm以上12.0mm未満 | |
40年以上50年未満 | アスファルト | 4.5mm以上(※) |
モルタル | 6.0mm未満(※) | |
エポキシ樹脂又はタールエポキシ樹脂 | 4.5mm未満(※) | |
強化プラスチック | 4.5mm未満(※) | |
30年以上40年未満 | アスファルト | 6.0mm未満(※) |
モルタル | 4.5mm未満(※) | |
20年以上30年未満 | アスファルト | 4.5mm未満(※) |
FRP内面ライニング、電気防食又は危険物の微小な漏れを検知することができる設備(高精度液面計)のいずれかの措置が必要 |
※設置年数の経過に伴い、腐食のおそれが特に高いになる
〇注意事項
腐食のおそれが高い地下貯蔵タンクとして、危険物の微小な漏れを検知することができる設備(高精度液面計)を設置した場合でも、その後、腐食のおそれが特に高い地下貯蔵タンクに該当した時点で、危険物流出防止対策のFRP内面ライニング又は電気防食の措置を行う必要があります。