平成30年第2回定例会 一般質問
平成30年第2回北部上北広域事務組合議会定例会において、
沖津 正博議員より一般質問通告がありました。
沖津 正博議員
- 不足する看護師の勤務体制や状況がどのようになっているのか。
- 離職の原因と思われる課題についてどのように考えるか。雇用管理体制は整備されているのか。
- 看護助手のさらなる増員や、養成増や復職支援など看護師確保の抜本策を求めます。
- 病院の合併検討の進捗状況はどのようになっているのか。また、独立行政法人化の検討をやめるという話もあるが今後の方向性について伺います。
- 職員の意見や声はどのように集約反映されているのか。また、アンケートなど必要と考えるが伺います。
管理者 中 谷 純 逸
沖津議員のご質問にお答えいたします。
1点目のご質問の趣旨は、「不足する看護師の勤務体制や状況がどのようになっているのか。」ということですが、全ての病棟で変則2交代制を導入しております。これは、議員ご承知の3交代制と言われる日勤、準夜勤務、深夜勤務の1回の勤務が実働7時間45分でシフトを組むこと以外に、夜間勤務という1回の勤務で2回分の勤務をする制度で、16:15~翌日の9:30までの15時間30分勤務します。この2交代・3交代の長所、短所はそれぞれあり、本人の希望により2交代制又は3交代制を選択できるようにしております。また、育児休業明けには夜間勤務の必要としない外来勤務だけではなく、病棟でも日勤業務だけが可能となるなど、看護師自身のライフスタイルに合わせて多様な働き方が選択できるよう配慮しております。
2点目の「離職の原因と思われる課題についてどのように考えるか。また、雇用管理体制は整備されているのか」ということですが、1点目でも述べたとおり、多様な働き方が選択できるよう配慮をしても残念ながら離職される方も少なからずおります。それは、議員が申し上げておりますように24時間365日いのちを守る仕事で苦労や努力には感謝されていることには、私も全く同感であり、医療職員の労働環境には注意を払ってきているところであります。しかし、離職の原因については看護師一人ひとりの違う事情があり、一概に申し上げることが出来ませんが、若手の看護師であれば、看護師という職業が自分に向いていなかったとか、お子さんの学業環境の充実のために一端離職するとか様々であります。また、雇用管理体制に関する看護師については、先輩看護師が新人看護師にマンツーマンで教育するプリセプターシップ制を基本に、クリニカルラダー教育を導入し、段階的にキャリア形成ができる体制をとっており、定年退職されるまで日進月歩の医療の質の確保のために勉強する機会を提供しております。
3点目の「看護助手のさらなる増員や、養成増や復職支援など看護師確保の抜本策を求めます。」ということですが、看護助手の増員ということについては、看護師の負担軽減の観点からも大いに増員したいし、増員することにより現在の急性期看護補助体制加算、患者50人に1人の配置から25人に1人の配置にすることにより、より一層の負担軽減と収益の増が見込まれることから、募集を1年中しておりますが、町内の介護施設も不足していることもあり、中々増員できない状況であります。また、看護助手については、介護職のヘルパー資格については不問として募集しており、採用してから教育する、取得できるよう支援もしております。また、復職支援については、病気休業や育児休業からの復職等のケースがありますが、1点目でも申し上げましたとおり、職員の負担軽減の観点から、夜間勤務を必要としない外来勤務、地域医療連携室、訪問看護ステーションに配置するなど、本人と事前に面談をして復職させております。
4点目の「病院の合併検討の進捗状況はどのようになっているのか。また、独立行政法人化の検討をやめるという話もあるが今後の方向性についてどのように考えているのか」ということですが、病院の今後の方向性については、これまでも本館棟の耐震不足対策 と共に経営形態の見直しとして独立行政法人化ということでご説明して参りましたが、近隣病院との合併については具体的に進んではおりません。しかしながら、今後、病院の再編成でいくのか、またこれまでどおり、北部上北の単独運営でいくのか、はっきりさせなければならないものと考えています。地域医療構想においては、まずは圏域内の自主的な話し合いが重要とされており、近いうちに、近隣自治体の首長の考えを確認することとし、この中で、再編についての可能性、それぞれの病院の機能をどうするのか、また連携を効率的に行うのにはどのようにしたらいいのかについて方向性が明らかになるものと考えています。また、経営形態の見直しとしての独立行政法人化については、建替を含む病院の運営形態をどのようにすべきかを解決してから、議員の皆さんと議論をしていきたいと思います。
5点目の「職員の意見や声はどのように集約反映されているのか。また、アンケートなど必要と考えるがどうか。」ということですが、病院職員の意見や声については、議員ご承知のとおり、当院は平成27年に日本医療機能評価機構から一定水準以上の病院であると認定を受けております。その認定病院になるためには、86項目の評価項目すべてに合格しなければなりませんが、その中の1つの項目にまさしく議員がご指摘された「職員にとって魅力ある職場となるよう努めているか。」という項目があり、この中身としては、職員の満足度調査をすることが含まれております。満足度調査は、平成27年度に実施しており、全30項目について職種別、所属別に調査しましたが、そのうち「これからも当院で働きたいですか」と「当院を知人に勧めますか」という設問は、病院の総合評価として活用されることが多く、「これからも当院で働きたいですか」という設問では、30~50%の職員が職場を変わりたいと思っています。また、「当院を知人に勧めますか」という設問では、50~80%の職員が勧められないと回答しております。この回答の背景としては、病院への帰属意識が低く、やりがいを感じない病院であると思っている職員が一定数おり、私も驚いているところであり、残念な結果となったところです。「職員の病院に対する満足度」を把握することは、非常に重要なことであり、機能評価受検後においては、やりがいを感じ、魅力ある病院にするにはどのようなことが必要かを検討しながら、帰属意識を高めるための様々な取組を行ってきたところです。具体的には、認定看護師の養成、外来・病棟へのメディカルクラーク配置による負担軽減、各種マニュアル、手順書の作成等、「教えて頂く」から「自ら学べる」環境整備など、その充実を図ってきたところです。なお、この満足度調査は来年度に2度目の実施を予定しており、これまでの取組みから満足度はかなり向上するものと期待しております。いずれにしても、病院職員自らが病院勤務にやりがいを感じ、帰属意識を高めてこそ、地域住民に愛され、頼りにされる病院になるものと考えておりますので、今後より一層のご理解、ご協力をお願い申し上げます。